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2009

0711
風色サーフ話を書こうかと思ったら、気付いたらプリティーの捏造話がモリモリと。
体験版をプレイして気持ちが盛り上がってしまったからに違いない。
拍手にしようかとも思ったんですが、完全捏造だし、拍手話にするにはちょっと長めになってしまったのでこちらへ。発売前が一番妄想は浮かぶかもしれないです。想像の余地があるし、体験版とかで性格が見えると余計に話は浮かびやすい。
というわけで、一応その『1』となっています。次があるかはわかりませんが。
次の更新は拍手にしたいです。

またまたTV様からお題拝借。

【慕情を抱く5つの言葉】
01 できうるかぎりひっそりと、ひと知れずに散ってしまいたい。
02 心を仕舞っておける場所、提供してください。
03 あなたが騙されたふりをしてくれれば、それだけで幸せ。
04 運命だと、ほんとうにそう思いこんでいる愚か者だとでも言うの。
05 本音は明日のお楽しみ。

今回は5番をベースに作成。
ユメ←ユーリテイストのユーリ+玉麗話。
ユーリが腹黒の上、体験版ネタバレを含みます。
完全捏造ですので、どんなお話でもOKという方のみ、続きからどうぞ。





 

口をついて出た疑問は、本当に純粋な疑問だったのだ。
彼の、その表情を見るまでは。


【本音は明日のお楽しみ】


それは教室で教師に呼び出されたユメを、ユーリとふたりで待っているときだった。
全ての授業過程が終了し、赤々とした夕日が差し込む時間帯になった教室には、玉麗とユーリのふたりだけ。かといって、話し上手なユーリ相手であれば特に時間をもてあますこともない。窓際の席に座り、授業のことや共通の友人についてなどとりとめなく話していた時、玉麗は以前から疑問に思っていたことをぶつけてみることにした。

「ユーリはシャルロッテとアキトくんのこと気にならないんですか?」

このところシャルロッテとアキトが昼休みだけではなく、多くの時間を共有していることは学園内の大きな噂になっている。基本的にシャルロッテが誘いをかけていることが多いが、アキトも邪険にすることなくそれに応じ、ふたりは付き合っているというのが、大半の見解のようだ。
ユメは気にしていないと口にはするものの、どこかぼんやりしていることが多く、今回教師に呼び出されたのもおそらくあのふたりのことを考えていたのだろう。同室の少女は随分わかりやすい表情をするから、感情が手に取るように読み取れた。
対照的にユーリは表情が全く読めない。無表情というのであれば、担任であるゲルハルトに軍配が上がるかもしれないが、いつも穏やかな表情を崩さないユーリは質のいい仮面をつけているようだと玉麗は感じていた。
婚約者であるはずのシャルロッテがアキトをパートナーにしたいと告げたときも、大きくこわばったユメとは対照的に、ユーリの表情はちらりとも揺れなかった。

「僕とシャルロットの婚約は家同士の問題だって言わなかったっけ?それに、決定権があるのはシャルロッテの方で、僕が言えることは何もないんだよ」
「それは知ってます。だけど、ユーリくんはわかっているんでしょ?シャルロッテが本当は…」

そう、本当はシャルロッテが誰を見つめているかなど、この聡い友人が気付いていないはずはないのだ。
ユメに負けず劣らず、シャルロットの表情も随分素直なたちなのだから。

「僕はシャルロッテが他に恋をすることが悪いとは思っていないんだ。愛し愛される方が幸せに決まってる」
「あなたがシャルロッテを愛することはできないと…?」

思い切って切り込んだ質問に返されたのは、優美な微笑ひとつ。
だけど、答えは明確に玉麗の胸を刺した。
気位の高い友人の切なく揺れるエメラルドの瞳を思い出して苦しくなる。

「じゃあ、ユメは?」
「ユメちゃん?」

パチリと驚いたように瞳を瞬かせるユーリに、確信を持って頷く。
特別なはずだ。彼女は。
私たちのような人種にとって。
素直で真っ直ぐで純粋な――、眩しすぎる、だけど目を逸らせない。
心まで覗くような瞳で、ユーリを見つめる玉麗に、ユーリは息をつくように笑った。

「僕はね、ただ、愛されたいんだよ、彼女に」

傲慢な欲望を、淡い願望のように口にするさまに、玉麗は地面がぐらりと揺れるような衝撃を受けた。


愛されたい―。
愛したいのではなく、愛しあいたいわけでもなく、愛されたい。ただ、それだけ。
生まれながら人をひきつける能力を持つ彼にとって愛は、与えるものではなく、ただ振ってわいているようなものだったのだろう。
何て傲慢な考え。身勝手な願い。
眩しい笑顔の彼女を思い出し、玉麗は奥歯を噛み締める。

「ユメはあなたのことを愛したりしない」

託宣のように迷いない口調で告げた玉麗に、ユーリは『そう?』と首をかしげて笑う。

「そんなことわからないじゃないか。だって君はユメちゃんじゃない」
「ユメはアキトくんのこと…!」
「あんな曖昧で漠然とした感情なんかどうにでもなるよ。運命の恋ですら崩れる話が、世の中にいくつも転がっている」

笑みは崩れない。
目を焼くような赤い光の中、煌々と彼は笑った。



==================
ユーリは一筋縄ではいかない印象。
玉麗は結構大人な感性を持ってるんじゃないかなと思うんですよね。
体験版をやるたびに、シャルロッテが可愛くて仕方ありません。

 

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