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2008

1203
ハヤノED後のアキ×ハヤノ←王立警備隊。ハヤノがちょっと黒いのでご注意を。
ハヤノEDを見た後にぶわっと浮かんだ話です。
もともと拍手に置くはずの小話予定だったんですが、長くなってしまったのでこちらへ。
ギャグ予定だったのに、むりやりお題にあわせたのでなんだか違和感がありますが、よろしければ続きからどうぞ。
拍手小話は近日中に考える予定です。



「アキが来てるって!?」
「クラト!アキじゃなくて、キリヒ国王妃殿下であろう!」

慌しく扉を開け飛び込んできたクラトを、オウバが苦い顔で叱責を飛ばす。
しまった、という表情のクラトにアキは『アキで構いませんよ』と微笑んだ。

「今までと同じように呼んでいただいた方が嬉しいです。隊長さんも」
「いや、しかし・・・」
「もー、頭固いっすね、隊長。アキがいいって言ってるんだから、いいじゃないっすか」

当たり前のようにアキの隣に腰掛けたウキツが、アキを援護する。すでにアキの周りは、左隣にウキツ、右にミトシ、正面にシンとちゃっかり囲まれていたため、しかたなくクラトは斜め前に腰掛けた。

「とは言え、久しぶりだね、アキちゃん。キリヒに嫁いで以来だろ?3年くらいたつかな?」
「そうですね。急なことだったので、挨拶にもよれずすみませんでした」
「いえいえ、そんな!顔を上げてください!」

ぺこりと頭を下げたアキに、オウバが慌てる。

「もう、隊長~。アキちゃんが普通にして、って言ってるのにそれじゃ駄目じゃないですか」
「あ、そうだな・・・。すまん、つい。公式の場でも会っているせいか、切り替えがうまくできんな」
「そっか~、隊長は殿下のお供でキリヒの公式行事に参加したことがあったんすよね」
「あぁ。すっかり王族としての気品を兼ね備えていて驚いたぞ」
「そ、そんな、まだまだです」

オウバの賛辞に、アキは頬を染めた。そんな様子は以前のアキそのままで、オウバ以外の面々はいまいちピンと来ない。

「俺はお前が妃殿下なんて、どーもピンと来ないけどな。しかもハヤノと。お前らいつの間にんなことになってたんだか」
「ウキツさんはそういうの鈍そうですもんね」
「クラトにだけは言われたくねぇよ!」
「鈍そう」
「・・・ミトシにも言われたくなかったけど」
「皆さん相変わらずですね」

まるで昔にもどったみたい、と微笑む笑顔は柔らかい。周りも自然と笑みが浮かぶ。

「楽しそうだね、アキ」

そんな柔らかい雰囲気を壊すように、どこか硬い声が割って入った。

「キリヒ国王陛下!」

オウバを初めとし、今までくつろいでいた面々も、ひょっこり表れた国賓の姿に慌てて立ち上がる。

「そんなに畏まらなくていいのに。特にウキツにそんなふうにされたら気持ち悪いんだけど」
「そうは言われてもなぁ」

くすりと笑う笑みも、上質な布をまとった姿も見慣れなくて緊張するなというほうが難しい。

「アキ、悪いけどそろそろ時間なんだ。一緒に来てくれるかな?」
「え、もうそんな時間ですか?」

今回のタカミハラ訪問は公式行事の参列が目的だ。少し行事が始まるまでに時間があるということで、アキはハヤノにお願いをして、王立警備隊との時間を作ってもらっていた。
参列前には着替えもしなくてはいけない。慌ててアキが立ち上がると、ハヤノが咎めるように声をかけた。

「アキ、慌てないで。転んだりしたら大変だ。もう一人の体じゃないんだから」
「「「「「え?」」」」」

固まる周りをよそに、差し出された手をとり寄り添ったふたりは、「それじゃ」と微笑み扉の向こうへと姿を消した。

「・・・結婚してるから、不思議はないんだけど・・・。何だろうね、この敗北感は・・・」

呆然と呟いたシンの言葉に、誰もが言葉もなく頷いた。

 

 

「・・・やっぱり気付いてなかったみたいだね」
「え?」

食堂を出て少し歩いたところで、ぼそりとハヤノが落とした言葉を聞き返す。

「アキが妊娠してること。皆気付いてなかったみたいだね。少しおなか出てきてるけど、今日の服じゃわかりづらいかな」
「そうですね、ふんわりとしたラインだから」

無邪気に微笑み返すアキに、やはり自分が迎えに行ってよかったとハヤノはこっそり胸をなでおろした。
アキが妊娠していると告げたときの周りの表情といったら!
恋心までは自覚していなかったのかもしれないが、それに近い好意は抱いていたのだろう。同盟国の王妃にちょっかいをかける馬鹿がいるとは思えないが、出た芽はなるべくつんでしまいたい。
あの時アキが飛び込んできてくれなければ、アキに会いに行かなければ、アキはあの中の誰かの傍にいたのかもしれない。そう考えるとぞっとして、繋いでいたアキの手をぎゅっと握りこんでしまう。

「ハヤノさん?」

急に表情をこわばらせたハヤノを心配そうに覗き込むアキ。その瞳はどこまでも澄んでいて。
執着心は自分でも怖くなるくらい、どんどん強くなる。

「ねぇ、アキ?」
「はい?」
「ずっとずっと、僕の傍にいてね?」

にっこりと微笑む笑顔で鎖をつける。
無邪気を装い、君を腕の中に閉じ込める。そ知らぬ顔で、僕以外の邪魔なやつを君から切り離す。

颯爽と広がる青い空からも隠すように、強く強く抱きしめた。



==============
ハヤノが黒くてすみません。
王様になるには、やっぱり綺麗ごとばかりではすまないこともあるということで、ひとつ。
シンがいるのもおかしい気がしますが、そこも目をつぶっていただけると(汗)
 

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