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完全自己満足のページ

2024

0420
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2010

0810
サーチ様にカテゴリー登録をした途端、カウンターが回る回る。
作品少ないうえに、暗い話で申し訳ないです。

実家に帰る前にせめてもう一本、と夜中のテンションで書いた作品をUP。
司先生恋人ルート設定。ただふたりでぐだぐだと喋っています。
やまなし、おちなし、意味なしの三拍子。
それでもOKという方は続きからどうぞ。

次は和果菜ちゃん視点の和果菜→奏矢の話か華やかの話を書きたいなと検討中。





「犬塚先生、聞いてますか?」
「はいはい、聞いてますよ」

深夜と言っても差し支えない時間。
バーの一角で犬塚千尋は、大学時代からの友人酉水司を前に頭を抱えたい気分になった。


【すべてをさらけ出せますか】


きっかけはいつものこと。
半分以上断られるの覚悟で、友人を飲みに誘った。生真面目な友人は翌日が仕事の日は8割程度の確率で断られる。だから、今日も駄目だろうななんて思いながら、断られたら誰を誘うか、それとも家でひとりで飲むかなんて考えていたら、返ってきたのは予想外の返答で。

「え?行くの?」
「何ですか、その反応は。誘ってきたのは犬塚先生でしょう」
「あぁ、うん。じゃあ行くか。この間いいバー見つけたんだ」

そんな風に街へ繰り出したのは、確かすでに5時間以上前の話だ。最初はいつも通りだった。仕事の話が主だったが、だんだん雑談になり、2件目へ繰り出すころに司が最近つきあい始めた彼女の話になった。
話を振ったのは千尋の方だった。なにせその彼女というのは自分もわりと可愛いと思って目をかけていた女生徒なのだから。少々固い、と思うくらいに真面目なこの男が、生徒と付き合いだしたと聞いたときは、一瞬真面目に「今日はエイプリールフールだったか?」と思ってしまったくらいだ。
おおっぴらに付き合えるわけではないし、障害も多いだろう。大丈夫だろうか、と思っていたが、付き合いはじめて3ヶ月。それなりに順調に愛をはぐくんでいるようだった。
話を聞いても、「まぁ、普通に」とか「そちらこそどうなんですか。いい加減真面目にひとりに絞って・・・」などと詳しい話を聞けずにいたので、今日を期に色々聞き出してやろうと、さりげなく強めの酒をハイペースで飲ませていく。普段はきっちり配分を考え飲んでいる司だったが、何かあったのだろうか。千尋がやや不安になるほどぐいぐいと盃を重ねていった。それでも口調や顔色は変わらないものだから、つい油断していた。

(まさか、こんなことになるとは・・・)

のろけなのかグチなのか。
彼女のあそこが可愛い、ここも可愛い。見ているだけで幸せだ。あぁ、だけど可愛すぎて心配で・・・。なんて話を延々聞かされている。司とはいい加減長いつきあいの部類に入り、その間には何度か彼女もいたはずだが、こんな状態の司は初めて見る。
「年下の彼女は可愛くて仕方ない」と以前他の友人が口にしていたが、こいつもその類だったか。

「彼女は可愛いんですよ。真面目だし優しいし、笑顔なんかもう・・・!それなのに無防備でっ!」
「はいはい、そうですね」
「この間も告白されたようで・・・。クラスでも人気があるようだし、他の男子ともメールのやりとりをしているようだし」
「嫌だったらそう言えばいいじゃねぇか。他の男と仲良くすんな、って」

ため息まじりにそう言うと、驚いたように目を見開いた後、千尋の視線から逃れるように瞼を伏せた。

「・・・無理ですよ。私は彼女より一回り近く年上で、その上教師なんですよ。今だって色々彼女には我慢を強いているのに、その上束縛なんてできません」
「そんなもんか?」
「というより、本当はそんなことをして、彼女に嫌われるのが怖いのかもしれませんけどね」

司が自嘲気味に笑う。
肯定も否定も口にしないが、それでもその目は優しく甘い色をはらんでいて。

「お前、あいつにマジボレしてんだなぁ」
「・・・そうじゃなきゃ生徒と付き合うような危険は侵しません」

まぁ、そりゃそうだ、と口の中だけで呟いて、少し薄くなったウィスキーを飲み干す。
喉が一瞬焼けるように熱くなる。恋に似ている、と柄にもないことを千尋は思った。
心のうちに熱い激情を抱えて、焼けつくか、消え去るのを待つか、相手も燃えつくすか。
恋とはそういうものだ。熱くて、激しくて、苦しい。
恋情は常に冷静だったこの男すら作り変えてしまった。
司の心情が手に取るようにわかる、とは言わないが、千尋も恋はいくつかしてきたし同じ男だ。そして、この友人の性格もそれなりに把握している。
眉を寄せ、ちびりちびりと酒を口にする友人を見据え、口を開く。

「やっぱさ。言っちまえば?」
「何をです?」
「抱きたいって」
「ぶっ…!ちょ、何をっ!?」
「うわ、吹くなよ、汚ねぇな!」
「誰のせいだと…、というか、なんてことを言うんですか、あなたは!それでも教師ですかっ!」
「お前にだけは言われたくねぇな、そのセリフ。っていうか、好きならやりたくなるだろ。それに、さっきのほかの男とのことも。言いたいこと我慢してっと、それが溝になったりもするぜ?」
「…私と彼女は教師と生徒です。卒業まではある程度の節度は守らなければ」
「へぇ~。お前、あと2年以上待てんのか」

ぐっ、と司の口が閉じる。

「ほれみろ。つうか、ガキだろうがあいつは女なんだぜ?女は男なんかより、ずっと度量がでけぇ生き物なんだよ。全てさらけだしたって、案外あっさり受け止めてくれるんじゃねぇか?」
「……」

更に眉を寄せて、むっつりと黙り込んでしまった司を横目に、千尋はウィスキーのボトルに手を伸ばした。
まぁ、どれだけあがこうがどうせ行きつく先は決まっているのだ。



========================
千尋先生と司先生がふたりで話すときに、どういう口調になるのかがよくわからず、結局敬語に。
禁断の関係のわりには、ゲーム中の司先生はわりに色々大胆だったが、おおっぴらに交際宣言できなかった苦労はありそうですよね。
 

 

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