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完全自己満足のページ

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0427
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2009

0808
アキトルートの(多分)11話。アキト→ユメとなってますが、ほとんどアキト+ユーリ。
ユメが廊下で気を失ってからの一幕を妄想。いつもに比べ短いです。
アキトルートのネタバレ含みます(というか、見てないと意味が通じないかも・・・)
それでもOKという方は続きからどうぞ。

拍手レスは後日お返しします。
原動力になってます!ありがとうございます!


パン、と軽い音がした。
右手が熱い。
差し出した手をはたかれたと理解したのは、ユーリの燃えるような瞳と邂逅して初めて気がついた。

 

【掌に望むもの】

 

ユメが崩れ落ちるように倒れたのがスローモーションのように見えた。
とっさに差し出した手も、少し離れた位置にいた俺が間に合うはずもなくて。
支えたのはあいつの隣にいたユーリの手。

「ユメちゃん!」
「ユメさん!」

ユーリと玉麗が呼びかけても、ユメの目蓋は閉じられたままだ。

「ユメ!」

思わず伸びた右手。
シャルロッテに掴まれていたはずの左手はいつの間にか離されていて。
ユメの肩に触れようとしていた手が、途中で軌道を変えた。

「触るな」

敵意をこめたユーリの目がこっちを見ていた。
冷たいアイスブルーの瞳が、滾るように燃えている。

「触るな、アキト」

ユメちゃんを傷つけた君が。
続かなかった台詞が、確かに聞こえて、足が縫い付けられたように止まってしまう。

「ユメ、さん」

いつも気丈なシャルロッテの声が、か細い声で震えていた。
けれどユーリは一瞥すらせず、黙ってユメを抱き上げる。ボロボロ涙を零して、しゃっくりあげる玉麗にだけ笑みをむけて大丈夫だよ、と笑う。
俺とシャルロッテなど、世界に存在しないかのような振る舞い。
ユーリの怒りが、空気を通してビリビリと伝わるようだった。シャルロッテがビクリと身体を震わすけれど、今はそれを気遣うことすらできない。


ユーリの腕の中でくたりと倒れたユメの姿。
倒れた瞬間に感じた恐怖。
そして、今は。
他の男の腕に抱かれて去っていくユメに対する、どうしようもない焦燥感が胸を突く。
夢で何度もみた景色。
だけど今は現実だ。自分で選んでしまった現実。
最善だと思ったはずの結末。


振り向かない相手を想っていてもどうにもならない。
(あぁ、だけど、それでもどうしようもなくて)

シャルロッテのほうが美人だし、頭もいいし、性格だっていいはずだ。
(頭ではそう、わかっているのに)

愛して愛されて、そういう恋愛をしたいと思った。
(だけど、愛されたいと思ったのはたった一人)

 


あぁ、ちくしょう。
握り締めた拳が震える。
欲しいものがつかめない掌に、一体何の意味があるのか。


消えてくれ。
消えてくれよ、頼むから。
欲しかったのはこんな感情じゃないんだよ。

 

欲しいのは、あいつを包める掌だけだったのに。

 


=======================
小説を書くために、ゲームをちょろっとやり直してみました。
この階段の場面ってどうだったんだろうと。
シャルもアキトも結構ショックはショックだったんじゃないかなぁと妄想。
しかし、このユーリは当たりがきついですね…。あたしの願望はいりまくり。
 

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